【8話】最後の不妊治療

この物語はほぼフィクションです。
登場する人物・団体・名称などはだいたい架空のものであり、
実在のものとはあんまり関係ありません。

目次

最後のチャンス

ママ

次で最後にしたいんだ…。

パパ

そっか…。

ママ

ごめんね…?
でも、辛くて…。

パパ

いいよ。
それより、今まで頑張ってくれてありがとう。

ママ

…うん。

僕らは2年以上も不妊治療を続けてきました。
最初は、すぐに授かるだろうと安易に考えてましたが、現実はそう簡単には行きませんでした。
ママの年齢も、メンタルももう限界だったみたいです。

赤ちゃんは欲しいです。
でも、ママの方がもっと大切。
だから僕らは、次を最後に、と決断していました。

結果は最後の大仕事のあとに

ママ

パーティーが終われば、
いよいよ冬休みだね!

パパ

だねー。
今年は年末北海道旅行だしね!
頑張って盛り上げていこうね!

ママ

最後に、いい踊り、しないとね!

パパ

だねー。

冬休み前、最後の仕事として、教室主催のダンスパーティーが開かれました。
忙しくしていれば、赤ちゃんのことは忘れられるし、ちょうどよかったのかもしれません。

妊娠の結果が分かるのはパーティーの翌日。
最後のチャンス。
そんなドキドキを忘れるように、僕らは一生懸命にお客様のために踊りました。

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この記事を書いた人

社交ダンスの先生。40歳にしてママとの間に最愛の第一子、うーちゃんを授かる。

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